パワーアッププラクティス

南大阪地域大学コンソーシアムによる6大学共同FD研修会に出席する。PP講座(Power-up Practice)の紹介と実践の話。どうもこのタイトルがピンと来ないのだけど、内容は自分が学生に提供したいと思っていることに近いと思えたので参加することにした。中心になっているのは、以前「南大阪の歩き方」でもお世話になった方だ。


PP講座は、実際に企業の方などに来てもらって、本物のミッションを与えられて、それを解決するための方法を考え出して提案する。そのプロセスにおいて、ものの考え方、筋道の立て方、根拠を示した説得力のある提案の仕方、グループでの協同の仕方、などのスキルを身につけていくというものである。コンソーシアムはこれまですでに4年に渡って大学でも小学校でもその方法を実践してきた実績があり、パターン化された思考方法を容易にするためのワークシートなどを豊富に持っている。やってみようと思う教員が取り組みやすい準備がすでになされているのである。

このPP講座は、キャリア教育の一環という位置づけになっている。企業の経営者に来てもらってミッションを与えられることで、職業意識を高められるので就職活動がスムーズに行く、という解釈はできる。しかしこれを就職準備のための実学と見なすのはもったいない。この方法には、学生の「本気」を引き出すための技術がある。そして本気になった学生は、主体的に学ぶことに目覚める。それこそ私が少人数授業で目指したいと思っていることだ。

環境問題というのは、おそらくミッションとして理解しやすく取り組みやすいテーマになるだろう。市役所の方に来てもらって、具体的な地域の問題などを提示してもらえば、きっといい材料になるだろう。それはこのPPというものを、単なるキャリアセンター科目のひとつだ、という呪縛から解き放つのではないかと思う。