渋谷区役所に勤める著者が、一人で、予算ゼロで、緑のビル作戦を立案し実行した。その経緯と、屋上緑化に役立つ自分で集めた実際的なデータを収録。都市で緑化をするときに考えなければならないことが、現場の視点で書かれているので役立つだろう。生物保全的な視点はほとんどない。外来植物を使わないとなったら、都市の屋上緑化は難しいかも知れない。
「予算と人員のない中で、政策を実現していく過程のレポートとして」読んでほしい(P.2)というが、そのために勤務時間後や週末をすべてつぶして走り回った、と聞くと、ちょっと躊躇してしまうのではないか。むろん、最初に道を切り開くのが楽な作業であろうはずはないのだけど。