銃夢

銃夢(1)

木城ゆきとのマンガ「銃夢」 Kindle版全9巻読了。

映画「アリータ バトルエンジェル」を観て、これはやはり原作も読みたいと思い、まとめ買いしてほとんど一気読み。古くささを感じさせない、よく作り込まれたストーリー。映画化にあたって使われた部分と改変された部分など意識しながら楽しんだ。電子書籍化にあたって収録されたという旧版のエンディングも読んでしまったが、さて正史であるLast Orderも続けて読むかどうか。

 

絶滅の人類史

絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)

絶滅の人類史  なぜ「私たち」が生き延びたのか

更科功著 NHK出版 2018年


kindle版読了。

 チンパンジーと共通の祖先から分岐して現在に至るまでのあいだに、世界には何十もの種類の「人類」が現れては消えていった。かつては順に一直線に進化してきたと思われていたが、今では同時に何種類もの人類が並存していたことがわかっている。そして、我々ホモ・サピエンス以外の人類はすべて絶滅した。

 そうした人類たちの誕生と絶滅の歴史について、最新の知見を手短にまとめた本である。とても読みやすく、わかりやすく整理されている(もっともたくさん出てくる人類名になじみのない人は、その区別に苦労するかもしれない)。少ない証拠から研究者がいかに仮説を組み立てていくか、その論理についても丁寧に解説されていて好感が持てる。この分野は新しい化石の発見や新しい分析の登場で通説が大きく変わることがあるので、全体像をまとめてもらうのはありがたい。生物学の授業で話す内容をアップデートしなければ。

そもそも島に進化あり

そもそも島に進化あり (生物ミステリー)

川上和人「そもそも島に進化あり」

技術評論社 2016年)

Kindle版読了


途中から苦痛だった。

島という環境で生物が独自の進化をする。そのことをいろいろおもしろく紹介してくれると思ったのだが、あまり面白い生物の話はなかったという印象。島の定義から始まって、島に生物がやってくる手段、島で独自の進化が起こる理由など、島嶼生物学の基礎からまじめにカバーしている。その割に文章に頻繁におふざけが挿入されていて、次第にウザくなってくる。教科書を目指しているとは思えないが、読み物にしては基礎の理屈ばかり。少し熱が入るのは島の生物を脅かす外来種の話くらい。ちょっと残念。

メガロボクス

第1話 ROUND1 “BUY OR DIE?”

メガロボクス

第8話までAmazonのプライムビデオで。

あしたのジョー」を近未来風にリメイクしたアニメ。たぶんオリジナルを今見たら、絵もストーリーも違和感ありまくりなのだろうけど、こちらは安心して観ていられる。オリジナルの詳細を覚えていないが、基本設定も登場人物もだいたいそのままの雰囲気。展開はわかっているはずだけど、先を楽しみにしている。

いぬやしき

犬屋敷壱郎

いぬやしき(アニメ版)

Amazonのプライムビデオで。


実写映画になると知る前に見始めた。異星人によってすごい力を持つ改造人間にされるのがさえない老人と爽やか高校生で、老人が正義の味方に、高校生が悪の権化になるという設定がいい。老人側の正義があまりに弱気で、高校生側の方が感情移入しやすいかもしれない。二人がぶつかり合い単純に善が勝つのか、終局への展開が読めなかった。面白かった。

アニメでは老人の声優(小日向文世)があまり好きになれなかったが、実写版の木梨憲武の姿はかなりぴったりはまっていたので、ちょっと観てみたい。

華氏451度

華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)

レイ・ブラッドベリ華氏451度(新訳版)」(早川書房

Kindle版読了。


ブラッドベリの代表作とされるSFの古典。原作は1953年。

書物が発見され次第駆けつけて燃やしてしまう「昇火士」を職業とする男の話。テレビを思わせる映像メディアに没頭し、古臭い書物を忌避する焚書の時代を描く。タイトルは紙が発火する温度だとか。


物としての本が焼かれようと、中身はそれを読んだ人の中に生き続け、何度でも再生できる、というのが結論かと思うが、まさに物としての本がデジタル化され、あるいは実態物のない著述がこれほどまでに溢れかえる時代を、ブラッドベリはどう思うことだろう。


ちなみに、マイケル・ムーア監督の映画「華氏911」は、タイトルだけもじっているが全然関連性があるようには思えなかった。

ちひろさん

ちひろさん 1 (A.L.C. DX)

安田弘之「ちひろさん」

Amazon primekindle版が無料だったのでなんとなくダウンロードしたら、ハマった。2巻まで読了。


小さな町の小さな弁当屋で働く元風俗嬢のちひろさん。自由で、ひょうひょうとして、ミステリアスな彼女は、関わる人々それぞれにインパクトを残していく。彼女自身が何かを目指しているわけではないのに、あちこちに波紋を残していく。


なんだかうまく表現できないけど、とても惹かれる物語。なにかに例えようとしてふっと思い出したのは、ジョージ秋山の「浮浪雲」。あの感じに少し似ているのかな。