ガイダンス

朝から新入生に対して、学生生活に関するガイダンスをする。委員ではないのだが、人手が足りないので徴用された。以前経験しているので軽く引き受けた。

300人ほどの新入生たちは、ここ何日も連続でガイダンスを受け続けており、いいかげんうんざりしているし、聞き逃して致命的になるかどうかも見当がついてきている。出席率も低めだし、まわりとしゃべってばかりいるのも多い。こちらも、これだけいっぺんに言われても吸収できるわけないし、けど言っとかないといけないし、という気持ちで、義務的に仕事を進めていた。

職員の方に交代して就職活動について話してもらっているとき、一人の学生が立ち上がって近づいてきて私に言った。
「先生でしょ。どうしてこの(やかましい)状態を放置しているんですか。これじゃ集中もなにもできないじゃないですか!」
そう言い放って教室を出て行った。


その通りだった。なぜ放置しているんだろう。聞くべきだと思うなら聞かせるべきだ。成績評価という脅迫手段をちらつかせることでしか、静かにさせられないと思っている自分に気づいた。

怒ってくれた君、ありがとう。