沈没船

株式会社によって設立されたLCA大学院大学が募集停止した、というニュースが先日流れていた。どこも厳しいのだろうなぁと思って聞いていたが、実はその大学の学長は中央教育審議会(中教審)の会長だったそうな。
中教審といえば、現在の日本の教育の見直しでなんだかんだ(←よく知らない)と方針を出してきて、現場の人々は「なに言ってやがる」とか思いながらも無視できずに右往左往している、そういう存在なのだ(と思う)。その会長が当然自身の理想のもとに運営していたであろう大学が沈みかかっているわけだ。中教審の威信も沈むだろう。


ちなみに上記の件は、内田樹氏のブログ『内田樹の研究室』の12月18日のエントリー「大学は市場に選別されるのか?」に書いてあったものだ。この人の文章は、テーマによっては難解ではあるが、わかるときは実にすっきりと腑に落ちる。なんでもわかったような気にさせられてしまうその文章には、畏敬の念を抱かざるを得ない。年に何冊も何冊も本を出すめちゃくちゃに忙しい生活をしているのに、ただのブログにこれだけのものを書いているそのバイタリティーには、ただただ感服するしかない。