TIME誌:気候変動が紛争を引き起こす

もひとつ覚え書き。

「Weather Wars」
   TIME December 8, 2008, p.36-37。

『Falling off the edge』という本を書いたTIME誌の記者Alex Perry氏の記事。気候変動が引き起こす干ばつなどが、水の奪い合い、土地の過剰利用を通じて、各地の、とくにアフリカの民族紛争を激化させているという話。スーダンダルフール紛争はその一例。遊牧民と農民が植物の生える限られた土地を奪い合うことに対立の根があるという。そして、そうした対立は、他にも数多く発生しており、それは増えていくだろう。国連が注目しているのは他に、半分になったアラル海、ヒマラヤ氷河の減少、メコン川上流に中国が計画しているダムなどがある。紛争の原因に気候変動があり、その気候変動の責任が先進国にあるのなら、当然先進国は紛争の解決に責任がある。道義的責任を考えなくても、紛争はテロを生みかねないから、先進国が気候変動の調整に乗り出すのは国益にかなうはずである。早急に行動しなければならない。今でも、ダルフールの難民キャンプは周辺の土地を疲弊させ先住者との軋轢を生んでいる。