日常の社会学

入試業務の合間の空き時間に読んだ本。

社会学と過ごす一週間

社会学と過ごす一週間

学生の毎日の風景の中にあるさまざまなこと〜教育、家族、メディア、ファッション他〜を社会学の目で見ると、こんな風に見え方が変わってくるんだよ、という社会学入門書。いつまでも「いやぁ、社会学はまったく知らないもんで…」では済まないだろうと思って買ってみた。
学生の日常にひそむ「社会学」の入口を、生活の中のシーンに沿ってやさしく解説していく、というコンセプトはとてもいいと思った。こういう導入の仕方は、受験生や1回生に社会学を紹介するのにぴったりだ。ただ、残念ながら各章がそれぞれ分担して書かれているため、執筆者によるかみ砕き具合のばらつきが大きく、面白く読めるところもあれば、すっかり論文調になってしまっているところもある。それぞれの担当者から出た素材を、食べ安く調理し直す執筆者が必要だったのだと思う。むろん、同じ大学(武蔵大学)の教員たちが集まって編集しているのでは、人の文章を書き直すのはなかなか難しいのだろうけど。