ゼミ合宿in智頭町新田集落

3回生ゼミの合宿として、今回初めて日本の農山村での体験学習プログラムを企画した。以前一度下見に行った鳥取県八頭郡智頭町の新田集落にある「清流の里 新田」にお邪魔する。集落全体をNPOにして村おこしに取り組んでおられる。その取り組みの情報発信が、先日内モンゴル砂漠緑化でお世話になったNPOのアンテナにかかり、それが緑化プログラムを持ち込んだ旅行社の担当者を介して、私の耳に届いたというおもしろい経緯である。ただし今回の企画には旅行社はかんでおらず、私の打診に対して新田NPOのOさんが考えてくださったもの。さてどうなるか。参加した学生は11人。

新田集落までは、中国道佐用インターから1時間という距離なので、大阪から2時間半〜3時間で行ける。途中の道の駅で昼食をとり、安い二十世紀梨をおやつ用に買っていく。到着してすぐ、NPOのOさんと智頭町市役所のS本さんから、智頭町や新田の状況、町おこしの取り組みの話をうかがう。その後、最初の農業体験として休耕田の草刈りをする。草刈り機と長い鎌を使って、うっそうと茂った雑草を刈っていく。カエルとかカマキリとかいろいろ出てくる。

田んぼ2面分を刈り終わり、次は集落を見学。細い路地を歩いていくと、かやぶき屋根の家屋などがまだ残っている。集落は全部で17戸、人口55人、高齢化率29%。若い人口が増えなければ、この集落を維持していくのが困難であろうことは想像に難くない。都会の人との交流によって、長期滞在の人も来ているし、気に入って茅葺き家屋に住み着いた人もいる。

宿泊したのは、「人形浄瑠璃の館」という研修所のような所。畳敷きの部屋に布団を並べて泊まる形だ。近所の方の手作りの食事に男子学生たちの食欲が爆発し、おひつのご飯が空になった。食後は、同じ智頭町内の別の集落の方に来てもらって、そちらの村おこしの話を伺う。夜はほんとうに涼しかった。あいにく星は見えず。