08緑化隊隊長記6

今日は、瓦房南部で5,6年育ったポプラの木の剪定作業をする。防砂林としての役目のあるポプラには、まっすぐ高く伸びてもらう必要があり、そのためには下枝や根際から出ている枝をきれいに落としておく必要がある。無駄な枝葉は水分を浪費してしまうのだ。
3つの班に分かれて、それぞれ剪定ハサミを持って取りかかる。草も伸びているし、毛虫(とくにイラガ)がいるし、全身防備していないといろいろ怖い。でも、ハサミを入れてすっきりした木が増えると、いかにも仕事したという気になるのでなかなか気分がいい。

夢中になってやっていたら、帽子をかぶっている頭がなんだか急にチクチクし出した。軍手の手で払ってもなかなか違和感がなくならない。なんだろうとごそごそやっていたら、今度は手に痛みが。アシナガバチに似たハチにたかられている。近くに誰もいなくて、ひとり泡を食ってとにかく叩き落とそうと逃げながら軍手で払ったが、帽子のすきまから頭を1箇所と、軍手の上から小指を刺された。あとで、そのとき切ろうとしていた木を見たら、直径20cm近いハチの巣があった。やられて当然だった。痛みはどうやらたいしたことはなかったのでそのまま別の場所で作業を続けたが、他ではイラガにこっぴどくやられている人もいて、これはなかなか危険の潜む作業だと実感した。

昼は少し遅くなってから苗木畑の近くへ移動して、現地の管理チームの中国人を囲んで白酒をすすりながらお弁当。彼の口が滑らかになってきたところで、昔ここがどんな風景だったか、というような話を聞く。ずっと以前は丈の高い草原に覆われていて、オオカミが出没した。国の政策転換で急激に砂漠化していき、10年前から日本人が来て緑化を始め、今はまたそれなりに緑に覆われている。日本人が緑化活動をしていることをどう思うか、という学生からの質問に対し、一言「好(ハオ)」と答えた。

その後は、Kさんを囲んで彼の半生記とNPOの成り立ちなどについての青空講演会。聞いた者はまちがいなく強い印象を受けるに違いないのだが、自由参加にしたので聞いてない者もいた。もったいないなぁ。
この日は中休みということでこれで作業は終了。帰って自由時間となり、ちょっと買い物に出て、あとは昼寝。夕方、餃子専門店に夕食に出かけるとき、通遼市の民族大学から日本語を習っている学生7人とその指導をされている日本人1名が、交流のために加わった。日本人学生の激しい飲み方騒ぎ方に少しひいていた様子だが、夜は彼らの部屋へ行って2時間近く話し込んで、いい刺激を与え合ったようだ。