江戸時代の環境保全

だらだらと読んでいたが、ようやく読了。
江戸時代の江戸の町は多くの人口を抱えながらすばらしい循環型社会を構築していた、という話はすでに有名だが、江戸以外にもこの時代の各地の環境保全策には見るべきものがある、という話の短編集。ゴミリサイクル、資源管理、しきたり、災害対策などいろいろ。ひとつひとつの話はかなり簡単で短いものが多く、詳しく知りたい向きには物足りないかも。
資源管理の話などを読むと、やはり見事な管理の背景にあるのは、絶対権力による強制的な規制が環境保全という面だけ見ればうまく行っていた(場所もある)ということである。それは、その地域の住民にとっては目の前の資源を利用させてもらえないという理不尽な規制である場合も多く、決して見習えるものではない。環境破壊は自由の代償という側面もあるのだと改めて思った。