ここ

ここ―食卓から始まる生教育

ここ―食卓から始まる生教育

インテックスへの往復で読了。じつは読むのは二度目で、一度目の時になんと感想を書いたらいいか迷っているうちにタイミングを逃したのだった。著者の一人佐藤氏は、いつも読ませてもらっているブログ「経済学を学ぶ非営利な毎日」の著者。その中でもさんざん紹介されている助産師内田氏の話がまとめられた本である。
性の問題は、生の問題である。生の問題は、食の問題である。家庭の食卓のあり方が、子どもの生と性にひびいてくる。このごろよく耳にする「食育」の重要性を、著者はきわめて平易に、しかし強烈に主張している。教育現場にいる人たちが、子どもを持つ親たちが、そして子どもたち若者たちが、読んでそれぞれに深い想いをいだくだろう。ぜひ、多くの人に読んでもらいたい本だ。
この本には、「食育」の中心となる取り組みとして、子どもが自力で弁当を作って持ってくる「弁当の日」が紹介されている。小学校で始められたこの取り組みが共感を呼んで、大学でも行われている。この「弁当の日」の楽しさとその効果については、佐藤氏のブログを読んでいるだけでワクワクさせられるものがある。うちの大学でもやれないものかと、ちょっと思案中。