オープンキャンパス

日曜出勤である。大学を受験生やその予備軍に見ていただこうというオープンキャンパスの日なのだ。あちこちの大学関係者ブログでも同じ様に書いているので、この日は定番の日なのだろう。委員の役目で、入試相談の対応係としてお仕事する。10:30オープンなのだが、10時前にはもうかなりの人がやってきて、噴水の広場で時間をつぶしている。開店(?)するとどっと押し寄せて資料を手に取っていく高校生とその保護者の方達。相談ブースにも次から次へとやってこられた。
しかしこの相談というのがなかなか大変で、こちらは自分の大学のことながら知らないことがたくさんあってすぐに他の同僚(委員歴が私より長い人)や職員の方に助けを求めることになる。ああもっと予習をしておくべきだったよなと思うが、それは最初から心配で事前ガイダンスをもとめていた。しかし、いや当日は職員がサポートにつきますから心配いりませんと言われてそれならと安心していたのだけど、なにしろ相談に来る人が多いから職員も教員も個別に対応せざるを得なくて、脇でサポートなんて余裕はなかったのだ。とはいえ、数人なんとか応対しているうちに少し慣れてきて、相手も持っている同じ冊子をめくりながら、ここに書いてますように、とそれなりの受け答えができるようになった。
昼過ぎまでは休む間がなかったが、午後2時を過ぎるとやっと潮が引いてきた。それにしても、高校生も親も熱心に大学訪問するものだとあらためて認識した。自分の頃はそんなのはなかったように思うけど、大金を払って4年過ごす大学なのだから、しっかり品定めした上で選んでもらうというのは正しいだろう。ただ、オープンキャンパスのような機会だけでは、キャンパスのきれいさとか以外はそれほど大学の中身を見てもらえていない。とくに、本来メインであるはずの教育内容に関しては、模擬授業というのもやっているけれど、やっぱり普段の授業と直接比較できるものではないだろう。普段の授業を参観してもらう、というのがいろいろ難しいとすれば、授業内容を全面公開するオープンコースウェア(OCW)の取り組みは、そこを補う有効な手段となるはずだ。あと、授業以外の学生の日常生活の様子についても、普段を見てもらえないならWEBでの発信が重要になる。
オープンキャンパスには莫大な費用と労力が割かれているが、その性質上大学の重要な部分を十分に受験生達に見てもらうことはできない。ならば、同じくらいの費用と労力をインターネットなどを使った生の情報発信にかけてもいいのではないかと思う。そのすべてが入試対策になるのだという認識をすべきだろう。