内蒙古緑化ツアー6

7:00朝食(中華っ)。2日間行動を共にした民族大学の学生と別れる。彼らは今日から新年度が始まり2年生になる。そう、彼らは1年未満しか日本語を勉強していない。なのに、日本の学生達と意思疎通できる程度には会話できる。さらに、自分たちが未熟であることを自覚し、数少ない出会いの機会を最大限に利用すべく、必死になって日本人を質問攻めにしてすべてを書き留めようとする。そのことに日本の学生達は衝撃を受けていたのだった。
8:00ホテルを出発し、瓦房牧場北側の砂漠へ向かう。今回は絵に描いたような砂漠である。真っ白で粒の細かい砂。風に吹かれてどんどん位置を変えていく移動砂丘が北から押し寄せてくる最前線だ。この移動砂丘により、多くの村で生活が成り立たなくなり、移住を余儀なくされている。緑化ネットワークの現地スタッフのひとりセルゲレンも、そうやって移住してきたという。この砂丘の移動を早急に食い止めなければならない。

その方法の一つ、草方格を作るのが午前の作業。真っ白な砂地に2m間隔の格子を描き、イネ藁をすきこんでいく。藁を平らに並べてスコップで真ん中を地面に差し込んでいくだけの作業だが、それなりにコツがいる。14人で3時間がんばってできた面積は280平方m。広がる砂漠の大きさからすればほんのわずかである。しかしこれがたしかに砂の移動を押しとどめ、そこに草が生え、灌木が生え、いずれ松の植林も可能な土地になる。

昼食(中華...)後、ふたたび某企業グループと合同で、今度は南側の別の砂丘へ。今度はサーハオという地元の灌木を植林する。藁による草方格の代替になると考えて最近導入された方法だという。藁は買わねば手に入らないし手間はかかるし埋もれたり飛ばされたりするのに対し、サーハオは近くにいくらでも生えている雑草のような灌木で、挿し木でも根付いて成長する。少し湿り気のある深さまで砂を掘って、適当にちぎったサーハオを挿しておけば、水やりもせずに活着するという。みんなで2時間ほどの間に1000平方m植林できた。
作業後、丘の上で地元の人の話を聴いた。昔このあたりは見渡す限り緑の草原で、池や湖もあったという。数十年の間に、こんなになってしまった。

夜、ホテル前の交差点で大きなスイカを買う。90円くらい。学生がひとり昼から熱を出して倒れている。米のおかゆを作ってもらい、日本から持ってきた梅干しが役に立つ。夕食(中華.....)後、3日間の植林作業についての振り返りを行う。スイカがうまい。カンヂカ泊。(後日up)