飲み水を自作する

おいしい水のつくり方―生物浄化法 飲んでおいしい水道水復活のキリフダ技術
中本信忠著「おいしい水のつくり方」(築地書館 2005)読了。片道1.5時間の通勤電車中で読み終えた。緩速濾過処理(この名前が悪いとして「生物浄化法」と言い換えようと提唱している)による安全でおいしい水道水のつくり方を書いている。基本は、生物のはたらきを理解してそれらの生物の力を最大限に利用することで、無駄に資材や薬剤を使用する必要のない浄化システムができるというもの。公共水道で採用されている例から、個人製作による家庭浄水装置まで、基本さえはずさなければ状況に応じてさまざまなスケールで作れることがわかる。
横書き、図や写真が多くキャプションは日英併記、短い章立てで、マニュアル本的な構成。基本的な内容をすでに知っている人ならいいが、初めてこの話を聞く人が理解を深めていくような構成にはなっていない。惜しいと思うんだが、もしかしたら前作「生でおいしい水道水」との差別化のためかもしれない。
この方法、低コスト・ローテクで採用可能なだけに、途上国に安全な水の供給を考えているNPOなどには重要だと思われる。うちの大学のインドネシアワークキャンプがらみでも使えるかもしれない。ただしマラリアの原因になる蚊の繁殖のことだけがちょっと気になる。