Trace

パトリシア・コーンウェル『痕跡』（上・下）読了。

　ケイ・スカーペッタシリーズの最新作。前作「黒蠅」がはっきりいってつまらなかったので期待していなかったが、惰性で買った。期待が低かったせいか、今回はまずまずという感じ。アクションが減って、もともとの持ち味である検屍作業から見つかる謎解きが戻ってきた感じ。人の心の暗闇を少しずつのぞいていくところも、不愉快ではあるのだけどやめられない。静かに事態が進行していくほうがやはりこの人らしい。ただ、静かに進行していたら、クライマックスなしにそのまま静かに終わってしまったので物足りない。

　次回作はまたあの狼男がかえってくるという。もうやめてほしい。