スティーブズ
iPad AirのKindleアプリで読むものがほしくて、Kindleストアでコミックのまとめ買いをした。
一方は「テルマエ・ロマエ」で有名になったヤマザキマリさんによる作品。もう一方は、鈴木みそ氏のメルマガにときどきその名が出てくる以外全然知らない「うめ」さんの作品。どんなふうにマンガにするのか見てみたくてまとめ買いした。
ヤマザキマリさんのは、基本的にウォルター・アイザックソンによる伝記本をなぞっている。本で読んだいろいろなエピソードが絵になっているのはちょっといい感じだが、いろいろな出来事がただ次々に進行していくだけで、起伏がなく感情移入もできず、だんだん退屈になってくる。原作に忠実であろうとする伝記マンガらしいといえばらしいが、作者はジョブズにもアップルにもたいして思い入れはないんだろうなとわかる。
それに比して、うめさんのスティーブズの方はマンガとしてのおもしろさが際立っている。くそったれなのに魅力的なジョブズに魅了され、ふりまわされる周囲の人物それぞれも好きになり、なによりパーソナルコンピュータが誕生し急激に新しい世界が開けていく時代の熱気を感じることができる。
今の調子で描いていくと先はだいぶ長いが、続けてくれたらうれしいな。