限界集落温泉

限界集落温泉 1巻 (BEAM COMIX)

限界集落温泉 1巻 (BEAM COMIX)

MacFanに取材マンガ「X(テン)までとどけ」を連載している鈴木みそ氏が、ドキュメンタリーコミックとして描いた「僕と日本が震えた日」。それを読んで気に入ったので、流れで買ったのがこの「限界集落(ギリギリ)温泉」。都落ちしてきた男が、さびれた温泉村のつぶれ(かけ)た温泉宿の再生に関わり、人々の意識を変え町おこしにまで発展する、という物語。ネット用語乱発で不案内な人には辛い面もあるだろうが、どうにもならないような状況を逆手にとって口八丁でポジティブにとらえ、雪だるま式に人と事態が動いていく様がなんとも痛快。傍観者、外部者をいつの間にか内部関係者へと巻き込み、彼らの力を生かして事を動かすそのやり方は、受け身の学生を主体的な学びに巻き込みたいと思っている私の憧れるやり方につながる。全てが終わった後、関わった者が以前とは比べものにならないくらい成長できている、そんな体験を創り出せる主人公のようになりたいと思う。