百水名館

月末から出発するヨーロッパエコスタディの事前研修として、ドイツの前にまず日本の環境取り組みを知るために舞洲清掃工場とスラッジセンターの見学をしてきた。


遊園地かと見まがう奇抜なデザインで有名な舞洲工場だが、すぐ近くにある下水汚泥処理施設のスラッジセンターも同様のデザインだ。二つの施設に加え、PCB処理施設もすぐそばにあり、舞洲は一度に3つの環境施設が見学できるエコエリアだ。


奇抜なデザインは、オーストリアの画家フリーデンスライヒフンデルトヴァッサー氏(Hundert=hundred=百、wasser=water=水)によるもので、さんざん話題にはなっているが、近くで見るとなおインパクトがある。税金の無駄遣いだとさんざん叩かれてきたせいだろう、舞洲工場で解説をしてくれた方もいろいろ数字を出して正当化に努めつつ強弁はしない感じで微笑ましかった。同時に、新市長の下で、大阪市に8ヶ所ある清掃工場がどういうことになるか、それが心配らしかった。

ひとつの市で8ヶ所も、と思うが、舞洲工場の巨大ピットに貯まった膨大なゴミの量を見ると、そう簡単に減らせないことはわかる。一方で、年間5億円以上の売電収入をもたらすというゴミ発電の量がここ数年減ってきており、その原因がゴミの量の減少によるものだというから、やはりゴミ減量に全市を挙げて取り組めばそれなりに減らせるのだろうとも思った。


一方のスラッジセンターでは、昼食後のタイミングで1時間近い講義があって、必死に努力するも沈没寸前。見学できる部分もあまり多くはなく、エキサイティングとは言いがたかった。せっかく汚泥から作っている溶融スラグが最近売れなくなっているという悲しい現実を聞いた。
唯一おもしろかったのは、1階の(男子)トイレ。フンベルトヴァッサー氏のデザインに沿ったのか、ちょっと普通ではない。入ると平衡感覚が失われ、なんとも気持ち悪くなる。施設見学は事前申込が必要だが、1階のトイレは申込なしでも入れるはず。ぜひ一度お試しあれ。