陸前高田へ

37人の学生とともに、陸前高田へボランティア活動をしにバスで向かった。大学では6月から毎月1回のペースでバスを出しており、毎回参加者はすぐに定員一杯になる状態が続いている。できることがあるならやりたい、と思っている学生が大勢いるというのはうれしいことだ。


片道14時間の行程は楽ではない。夕方7時に出て、翌朝9時に陸前高田のボランティアセンターに到着する。ここで活動要請とのマッチングが行われ、派遣先が決定される。次から次へと大型バスなどでボランティアグループがやってくる。センターの運営もボランティアによるもので、なかなか手続きに時間がかかる。今回は、1日目は個人宅跡地のがれきの整理、2日目はその方の田んぼ跡地の草刈りとがれき集めが活動内容となった。


↓ ボランティアセンター

↓ 有名な一本松。どうも枯れかけているようだ。

↓ ぐちゃぐちゃに壊れた自動車が整然とならぶ。







被災地は、ようやく大きながれきなどが取り除かれ、建物の土台だけになっているか、がれき置き場になっているかのどちらか。大きな建物はそのまま。新しい建物の建設はない。復旧しようと作業している工場はあった。プレハブで営業する店舗もちらほら。道路は大型バスでもおおむねスムーズに走れる。


↓ 今回作業したのは、この写真の山際にある一軒家の跡地。山の杉の木が一部だけ茶色く変色しており、そこまで津波が来た痕跡となっていた。


ボランティアセンターで、作業中の写真撮影は慎むようにとお達しがあったので、おおっぴらには撮れず、この程度の写真しかない。元田んぼを覆い尽くした雑草の大きさが6ヶ月という歳月の長さを語る一方で、復興とはほど遠い現地の有様に、途方に暮れる被災者の気持ちも実感した。


夜は、山あいの公民館の体育館に寝袋で一泊。深夜に震度2か3くらいの地震が一度あったが、そのときの恐怖感はかなりのものだった。3.11を体験していない私でもそうなのだから、被災した方々が余震でどれほど神経をすり減らされたことか、その辛さだけでも察するにあまりある。

結局、二日間で作業は実働6時間程度。また14時間かけてバスで帰る。なんたる効率の悪さ。この体験がせめて学生たちの心になんらかのインパクトを与え、それが次の行動に繋がってくれることを祈る。