ヨーロッパエコスタディ3日目

バスに乗って少し走り、山あいの農村の自然エネルギー利用の視察に向かう。ゆるやかな斜面を牧草地にして酪農を営む農家。ミルクを冷やす冷蔵装置の廃熱を使って温水を作ったり、木質チップを製造して熱源にしている。さらに家も家畜小屋も納屋も屋根には大規模なソーラーパネル。石油消費を最小限に抑え、太陽光で発電した電気を高値で売電し、自分の使う電気は安く買うことで、消費する以上のエネルギーを生産して収入にしている。

丘の上には巨大な風車。142人の市民が出資して作られた。年に10%近い利回りが期待できるという。ただし、好適地はもはや残り少なく、これからはあまり数は増えない可能性も。バードストライクはあまり問題にされていないらしい。



次の農家は、豚と肉牛の飼育からバイオガス生産に乗り換えた。家畜飼育時代と同じくトウモロコシと牧草を育てるが、今は家畜が食べるのではなくバイオガス製造装置が食べる。近隣の畜養農家から糞尿を譲り受け、トウモロコシと牧草と混ぜて発酵して出てくるメタンガスでガスエンジンを回す。電気は売却し、廃熱で作る温水を近隣の家と学校に供給する。発酵済みの残りは良質の肥料として畜養農家に還元する。数億円規模の施設だが、家族3人で切り盛りしている。


昼食は、水車小屋で農家の手作りパンを手作りハム・ソーセージやチーズ・ジャムでいただく。夕食は近所のスーパーでワインとつまみを買い込んで引率だけの酒盛り。