神に至る階段

土曜日だが、午前中は博物館学芸員資格課程の実習で植物採集をして押し葉標本の作製。午後はインフルエンザで休校になったゼミの振り替え授業。
このゼミの振り替えとして、以前から環境サークルの学生と参加してきた黒石地区の地域保全活動に取り組んでもらうことにした。いつもは、向こうの都合でやるイベントにこちらが参加させてもらうのだけど、今回は完全にこちらの都合に合わせてもらっている。市役所の方には全部お膳立てをしてもらっているし、地元の保全協議会の方たちもわざわざこのために出てきてくださる。責任重大だ。

作業は、今年3月に途中まで作った、ため池の水神様のほこらにお参りするための道を完成させるもので、階段とスロープ作りというハードなものである。落差2メートル以上ある斜面を、降りやすくするのだ。

今回の参加学生は全部で16名。砂利運びも土嚢運びもどんどんはかどる。女子学生も蚊に刺されながら奮闘して、砂利を一輪車で運んだり、杭打ちをしたり。

見る見る作業ははかどって、予定の2時間半で見事に完成させることができた。

学生たちは、慣れない肉体作業にへとへとになったようだったが、何か得るものがあっただろうか。
地域の課題を、地域の人だけでも、行政だけでも解決できないときに、学生ボランティアが加わることで何かが少しでも進み、その作業に加わることで学生も地域のリアルな問題に関心を持てるようになるならば、それは成功と言えるのだろう。ただ無償の労働力として使われたわけではない、ということを、心から納得してくれたかどうかはまだわからないけれど。