ハダニの殺虫剤抵抗性はミトコンドリアの変異

研究メモ

Mitochondrial heteroplasmy and the evolution of insecticide resistance: Non-Mendelian inheritance in action
Van Leeuwen et al. (2008)
PNAS 105 (16): 5980-5985
10.1073/pnas.0802224105

「ナミハダニのbifenazate抵抗性はmtDNAのcytochrome bの変異に起因し、適応度コストは見られない。不完全に抵抗性を持つ個体は、細胞内に複数あるミトコンドリの一部だけが変異している(heteroplasmy)が、子孫に伝わるときの割合はばらつく。60%以上のミトコンドリアが抵抗型haplotypeだと、殺虫剤散布時に選択される。こうしたことにより、殺虫剤をまけば抵抗性は急速に進化し固定される。…」

なるほど。問題は、こうしたメカニズムが他の殺虫剤抵抗性でも共通して起きるのかどうかだ。もしそうであれば、ナミハダニとかコナガとか特定の害虫がやたらと抵抗性を素早く発達させることの理由になる。