おとなの進路教室

おとなの進路教室。

おとなの進路教室。

べつに進路に悩んでいるというわけではない。ほぼ日に連載されているエッセイを読み始めてからずっとこの著者のファンで、どんなふうにして、深くものを考えることに慣れていない学生に考えさせるのか、ということを求めて読んでいる。その答えはそこに書いてあるはずなのだけど、それを抜き出すことができずにいる。それは決して単純な質問の仕方や指導の仕方などではなく、全身全霊で生徒に向かい合う著者の姿勢そのもの、なのかもしれない。そのことは、とつとつとしたこの本の文章を全部読むと感じられる。読まずに内容だけ伝えてもたぶんわからない。だから、卒業して就職できずにいる元学生や、辞めてしまった人に、とりあえず読んでみたら、と渡してあげたい。とにかく読め、と。なにか手っ取り早い解決策が書いてあるわけではない。でも、読んでみてほしい、と思う。