成功と苦汁と

3日間の大学祭が終了した。ゼミ3回生によるビデオ「キャンパス清掃員ドキュメント」を中心にした展示には、3日間で総計323名の入場者があり、大成功のうちに幕を閉じた。文字中心の模造紙展示ばかりだった去年とは雲泥の差で、やはり映像と模型というわかりやすさが興味を惹いたのだろう。

製作から学祭当日、片づけまでの過程で、しかしどうしても克服できない問題が残った。全員それなりに最低限やれといわれたことはやってくれたのだが、それ以上に打ち込む者、没頭する者、まわりに気を配り手薄なところを補う者は、ごく少数に限られた。来いといわれれば来るが、できれば、と言われれば来ない。結局、面倒な作業に実直に出てくるのはいつも同じ顔ぶれになってしまい、彼らに不公平感が募る。その状況が最後まで解消できなかった。だから、大成功だ!と浮かれる気分になれない。

大学祭を経て一体感が深まるかと思ったのだが、そうはいかないようだ。ただ、本気で取り組んでくれた学生は、きっと楽しい思い出になったろうと思う。そういう学生が、結果的に片づけなどの面倒事も引き受けているのだが、それは決して「損」なだけではない、と信じてほしいと思う。