消費電力量実測計画始動

環境問題を鋭く冷静に分析しそれを常に発信し続けている安井至氏が、「市民のための環境学ガイド」HPで「消費電力を測ろう」(2006.3.19)と呼びかけている。以前からご自身は測っておられたが、こういう呼びかけをされたきっかけはやはり最近の省エネ冷蔵庫のカタログ消費電力量が実態とかけ離れているということにあるようだ。氏の影響力は大きいから、これで多くのデータが集まるだろう。
じつは、私もひそかに計画していたのだ。すでにエコワットを25個まとめ買いした。これをゼミ生や「環境問題概論」の受講者に貸し出して、各家庭の冷蔵庫の消費電力量を一定期間測ってもらえば、労せずしてたくさんのデータがとれる。もちろん家庭ごとに条件が異なるわけだが、それが実際に使われている条件なのでありそこでの消費エネルギーにはそれなりの意味がある。ある程度集まった所でそのデータを公開したら、注目されるかな、ひそかに圧力がかかったりするのかな、そしたらその過程も全部暴露して・・・などと妄想たくましくしていたのだけど、それはなくなったな。
条件がばらばらなのだから、その測定値をもとに判断されては困る、というメーカーの声が今から聞こえてきそうだが、それはちがう。もちろん、JIS基準にもとづいてカタログに載せるような数値は、各社同一の条件下で測定した数値でなければ意味はない。しかし、消費者が本当に必要としているのは現実的な状況下での消費電力量だ。だから、数多くの雑多な条件下で測定された数値は、その平均値ではなく、ばらつきにこそ意味がある。オールラウンドで省エネ能力の高い機種もあれば、特定条件下でのみ省エネ性能を発揮できる機種もあるだろう。メーカーはそれを見て次世代機の開発の注力点を考えることができる。消費者がテストしてやるようなものだ。感謝してもらわねば。