教えない授業

鈴木有紀著『教えない授業 美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方』(英治出版 2019年) Kindle版読了。 「問いを見いだし、自ら考える力」を育てるひとつの方法として「対話型鑑賞法」を紹介する本。現場として紹介されているのは小中学校など。そ…

リアルサイズ古生物図鑑

土屋健著『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』(技術評論社 2018年) 生協で購入。 おもしろい。よく知った(知らないのも多いが)古生物が身の回りの風景の中にいたらどのくらいの大きさのものとして存在するのか、現実風景に再現CGをうまく溶け込ませて見…

銃夢

木城ゆきとのマンガ「銃夢」 Kindle版全9巻読了。 映画「アリータ バトルエンジェル」を観て、これはやはり原作も読みたいと思い、まとめ買いしてほとんど一気読み。古くささを感じさせない、よく作り込まれたストーリー。映画化にあたって使われた部分と改…

絶滅の人類史

絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか 更科功著 NHK出版 2018年 kindle版読了。 チンパンジーと共通の祖先から分岐して現在に至るまでのあいだに、世界には何十もの種類の「人類」が現れては消えていった。かつては順に一直線に進化してきたと思われ…

そもそも島に進化あり

川上和人「そもそも島に進化あり」 (技術評論社 2016年) Kindle版読了 途中から苦痛だった。 島という環境で生物が独自の進化をする。そのことをいろいろおもしろく紹介してくれると思ったのだが、あまり面白い生物の話はなかったという印象。島の定義から…

華氏451度

レイ・ブラッドベリ「華氏451度(新訳版)」(早川書房) Kindle版読了。 ブラッドベリの代表作とされるSFの古典。原作は1953年。 書物が発見され次第駆けつけて燃やしてしまう「昇火士」を職業とする男の話。テレビを思わせる映像メディアに没頭し、古臭い…

ちひろさん

安田弘之「ちひろさん」 Amazon primeでkindle版が無料だったのでなんとなくダウンロードしたら、ハマった。2巻まで読了。 小さな町の小さな弁当屋で働く元風俗嬢のちひろさん。自由で、ひょうひょうとして、ミステリアスな彼女は、関わる人々それぞれにイン…

バッタを倒しにアフリカへ

Kindle版を読了。 ニコニコ学会βの「むしむし生放送」でこの人のことは知ったのだが、名前も装束もインパクトありすぎ。その変な人が、アフリカまで行ってどんな苦労をしてきたのかと思って読んでみた。 ただの変な人ではなかった。すごい研究者である。研究…

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(早川書房) Kindle版を読了。 言わずと知れたフィリップ・K・ディックの古典的SF。原作は1968年というからまさしく古典。映画「ブレードランナー」の原作ということは知っていたが、読んでなかったし、映画もたしか…

サラリーマン田中K一がゆく

Kindle版を読了。 著者がタカラトミーに勤めてサラリーマンとして体験した日々を描いたマンガ。ギャグはもちろんちりばめているが、きわめてまっとうな「働く大人のマンガ」だ。個性的な同僚たちに囲まれて、苦労しながらも充実した毎日を送っていた様子がよ…

文豪カップ焼きそば

「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」(宝島社 2017年) メルカリで衝動的に買って読了。 すごい本だと思う。 文体模写、というのだろうか。あの人が書いたらこんな風になるかも、ということなのだが、どうあがいたってそんな人たちがカップ…

多動力

堀江貴文「多動力」 メルカリで安く買って読了。 べつにホリエモンにあこがれているわけではないが、この人の行動力には感服する。読んでみて心底驚くようなことは何も書かれてなかったが、ふつうの人が無意識に自分で自分を縛っているたくさんの常識や思い…

僕たちがやりました

Kindle版を全巻読了。 1巻が無料で出ていたので何気なくダウンロードして読み出したら、止まらなくなって全部読んだ。ドラマになって放映中というのは後で知ったが、観てみたくなる。プロモーションとしては効果的だよな。 そこそこ毎日楽しければそれでいい…

すごい進化

(鈴木紀之著 中公新書 2017年) この手のタイトルはこのごろ流行りだが、なんだかなぁ、とちょっと引きつつ読んでみたら、中身は進化生物学ど真ん中。それもわりとなじみのある話が多いなと思ったら、著者は私と同じ研究室の出身なのだった。 自然選択によ…

それで寿命は何秒縮む?

(半谷輝己著 すばる舎 2016年) 損失余命、つまりある物質などの毒性によってどのくらい期待寿命が縮むか、という尺度を使って、リスクの相対的な大きさを冷静に考えようよ、という本。以前から、環境の授業では損失余命を紹介して、化学物質汚染によるリス…

幼年期の終わり

(アーサー・C・クラーク著 早川書房) Kindle版を読了。 SFの古典として推薦された。原作は1953年とこれまた古い。 突如宇宙船が到来し、人類は宇宙に唯一の知的生物でないことを知る。力で抑圧するわけではないが世界に目を配り人間同士の対立を阻止する宇…

ソーラー女子は電気代0円で生活してます!

(フジイチカコ著 カドカワ 2017年) マンガで書かれているので20分で読了したが、また読み直したくなる。 震災後に省エネ生活に慣れて契約アンペア数を次第に下げていき、電気代が安くなるのが楽しくてついには電気の契約を解除した、というマンション一人…

キロワットアワー・イズ・マネー

(村上敦著 いしずえ新書 2014年) 大学のドイツ短期研修プログラム「ヨーロッパエコスタディ」でも何度かお世話になっているフライブルク在住の村上敦氏の本。タイトルやカバーのあおりを見ると、自然エネルギーで地方を活性化しましょう!という、わりと気…

月は無慈悲な夜の女王

(ロバート・A・ハインライン著 早川書房) Kindle版読了。 読んでおくべきSF傑作のひとつとして推薦されていたので、何気なくKindleで見つけて読んでみた。今調べて驚いたが、1965年に連載されていたという半世紀前の作品なのだな。まさにクラシック。しか…

太陽の簒奪者

(野尻抱介著 早川書房 オリジナルは2002年) Kindle版読了。 冒頭から怒濤の展開で息もつかせなかった。スケールの大きな物語。満足。

ねずみに支配された島

(ウィリアム・ソウルゼンバーグ著 文藝春秋 2014年) 広島大学出張中に読了。 前著「捕食者なき世界」がすばらしく面白かったソウルゼンバーグ。この本も期待に違わず大変面白く一気に読ませてくれた。 世界中の島々で繰り返される、外来動物の侵入と在来鳥…

バイオマス・ニッポン

(小宮山・迫田・松村編著 日刊工業新聞社 2003年) 積ん読解消シリーズ。 今さら、だった。2002年に閣議決定された「バイオマス・ニッポン総合戦略」をわかりやすく解説したもの、という位置づけの本。それから15年経って、その総合戦略がどういう風に進ん…

地球の破綻

(安井至著 日本規格協会 2012年) 積ん読解消シリーズ。 1972年にローマ・クラブが出した「成長の限界」は、その当時にできる未来予測を示し、その展望で衝撃を与えたという。それから40年経ち、状況も変化し、また予測の精度も変化したことで、改めて21世…

ヒトはなぜ病気になるのか

(長谷川眞理子著 ウェッジ 2007年) 積ん読解消シリーズ。 怪しい健康本ではない。もちろん、進化研究界隈の人なら著者名を見ればそんなことはすぐわかるのだが、上の画像を得るため検索したら似たタイトルの怪しい本が山ほど出てきたので念のため。 医学は…

「地球システム」を科学する

(伊勢武史著 ベレ出版 2013年) 読みかけの積ん読解消シリーズ。 「システム」とは、要素同士のつながりを考えて全体を構成したもの。「地球システム」とは、岩石、海洋、大気、生物のつながりを重視する考え方。地球環境問題は、地球をシステムとして考え…

生き物たちのつづれ織り

(阿形・森 監修 京都大学学術出版会 2012年) 途中まで読んだ後ずっと積ん読になっていたのを、久しぶりに掘り出してようやく読み終えた。 京大理学部の生物研究者たちが、それぞれの研究内容を一般向けに紹介するために書いた本、だと思う。研究だけしてい…

魚はエロい

(瓜生知史著 光文社新書 2016年) 「昆虫はすごい」がヒットしたせいかどうかは知らないが、こういう生き物のちょっと面白い話を紹介する手軽な本がいろいろ出ている。「すごい」ではもう目立たないので「エロい」ときたかと思ったが、基本的に繁殖生態の話…

火星の人

映画「オデッセイ」の原作。読み出したら面白くって3日で読んでしまった。 火星に一人取り残された主人公がいかに困難を克服して生き延びて地球に帰還を果たすか、という物語。当然大半のシーンが一人きりの状況なので、主人公の感情とか、なにをやろうとし…

アメリカの壁

小松左京の短編集「アメリカの壁」読了。 トランプウォールを予言していたようだ、と一時話題になったので読んでみた。SF作家としてあまりにも有名な作者だが、実際に作品を読んでみたことはこれまでなかった。 タイトルの「アメリカの壁」については、それ…

虐殺器官

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 伊藤計劃 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 購入: 5人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (25件) を見る Kindle版を読了。映画の予告編を観て、タイトルに惹かれて読んでみた。「機関」…