アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
Kindle版を読了。
言わずと知れたフィリップ・K・ディックの古典的SF。原作は1968年というからまさしく古典。映画「ブレードランナー」の原作ということは知っていたが、読んでなかったし、映画もたしか観たはずだがハリソン・フォードの顔しか覚えてない。そもそもこの謎なタイトルがずっと気になっていて、ついに読むことにした。
なるほど、大戦後汚染され人間も滅び行く地球で、ほとんどいなくなった動物の代わりに精巧な電気仕掛けの動物を飼うバウンティハンターの主人公が、本物の羊を飼うことを夢見ながら仕事に励むうち、人間とアンドロイドの境界に迷いを覚えるという話。タイトルの謎はおおむね解けた。結末はなんとなくよくわからないが。
たしかにこれはその後のSFの多くに影響を与えているだろうな、と納得。今読んでもそんなに古びてないからたいしたものだ。
文豪カップ焼きそば
「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」(宝島社 2017年)
メルカリで衝動的に買って読了。
すごい本だと思う。
文体模写、というのだろうか。あの人が書いたらこんな風になるかも、ということなのだが、どうあがいたってそんな人たちがカップ焼きそばの作り方をわざわざ書くことはないわけで、つまり絶対あり得ない文章を作り上げて、うん、なるほど、こんな風に書くかもな、と思わせるのだから、すごい能力である。しかも、そもそもどんな文章を書くのか私自身が知らない人物なのに、なるほどそういう文を書く人かと納得させてしまうのだからすごい。ただただ脱帽である。
ところどころに入る挿し絵がまたいい。大漫画家がこの文豪の挿絵を描いたら、という想定で描いているのは田中圭一。味がある。
幼女戦記
Amazonプライムビデオにて。
タイトルからどんなロリコンものかと思ったが、とんでもない。痛快な戦争ものだった。第1次世界大戦の頃のヨーロッパを思わせる舞台で、魔道士などという存在を出しながら魔法の力に頼り過ぎてなくて、たいへん楽しめました。